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導入事例

【導入事例】DXハイスクール採択校、“1教室に2台”の電子黒板「スライード」でプレゼン授業に革命(岡山県立岡山芳泉高等学校)

岡山県立岡山芳泉高等学校_DXハイスクール採択校

岡山県岡山市にある岡山芳泉高等学校は、時代に先駆けた教育環境の整備に取り組む学校として知られ、文部科学省が推進する「DXハイスクール」にも採択されています。
iPadは文房具、と言うくらいICTは必需品となっており、アクティブ・ラーニングで生徒の主体性を磨いています。「気宇広大」を建学の精神とし、進学重視型単位制の導入やカリキュラム開発など、きめ細かな取組が評価され、文部科学大臣表彰も受賞しています(令和4年度)。

同校では、2024年9月にディスプレイ型電子黒板「スライード」(本体:StarBoard 86型モデルを2台/スライド機構:F型レール)を導入し、授業環境のさらなる向上を図りました。本記事で鳥取先生と藤田先生へのインタビューを通じて、スライードを選んだ理由や導入プロセス、実際の授業での活用事例をご紹介します。

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これまでの課題

(1)従来のプロジェクターの映像が、窓からの光などの影響で見えづらいことが気になっていた。オンラインで外部と交流することも考え、もっと鮮明・もっと高精細に映る電子黒板を求めていた

(2)ホワイトボードや黒板は無くさず、電子黒板と両立させたかった。電子黒板の位置が固定されてしまうスタンド(脚付き)タイプの不便さを感じていたため、他の設置方法を模索していた

(3)生徒のプレゼン発表など、主体的・対話的な学びに磨きがかかり、授業の幅を広げられるツールを探していた


解決ポイント

(1)DXハイスクール採択校の予算を用いて、大画面プロジェクターと同じくらいの価格で、スライド式大画面電子黒板「スライード」(StarBoard 86型+スライド機構)を導入。プロジェクターと比べ、映像の鮮明さと視認性が向上した。

(2) 電子黒板を左右に移動できる“スライド”設置により、電子黒板とホワイトボードを柔軟に使い分けることができるようになり、授業展開の幅が広がった

(3)生徒主体のアクティブラーニングがさらに促進。iPadとの連携で、瞬時にプレゼンが開始できるようになった。機器準備の時間がほぼ無いため、グループワークの時間を長く取ることに成功した。

DXハイスクール採択校となり、電子黒板の選択を見直した

鳥取先生:DXハイスクールに採択されてから、まずDXハイスクールの予算で機器の整備を進めました。教室の中に、映像を映し出すための大型スクリーンや、プロジェクターを整備し、さらにハイスペックなPCと3Dプリンタも、というふうにいくつかの機器の候補を考えていたんです。

そこで、映像を大きく映し出せるものを探しており、各社のプロジェクターやディスプレイ(モニター)をいくつか検討する中で、今回の『スライード』を2台導入しました。

スライド式大画面電子黒板「スライード」(StarBoard電子黒板86型)を2台設置した
スライド式大画面電子黒板「スライード」を2台設置した
岡山芳泉高等学校の藤田先生(左)、鳥取先生(右)
取材にご協力いただいた藤田先生(左)、鳥取先生(右)

自分たちだけでの情報収集は限界があったので、業者の方に「プロジェクターやディスプレイの中で大きく映し出せるものがないか」と相談をした際に提案してもらいました。その当時はスライードの発売が決まった頃でしたね。
その後に「EDIX東京 教育総合展」に出向いて、実際の製品を確かめに行きました。実際のものを見てから、いくつかの機器選定を経てスライードの導入を固めていきました。

これまでは、1人1台端末を整備する段階で校内に無線LANを整備して、生徒は無線でiPadでインターネットにアクセスできるようにしてきたんです。教室には、短焦点のプロジェクター(他社製)が1台ずつ設置されていました。

各普通教室にプロジェクターとマグネットスクリーンが導入されている
各普通教室にプロジェクターとマグネットスクリーンが導入されている

授業ではプロジェクターからマグネットスクリーンに資料を映し出し、それを生徒が見ながら授業を進めるという形を確立してきていたところでした。

そんな中、DXハイスクールに採択されて、じゃあもっとデジタル人材の育成をしようという目標ができました。その動きがあり、今回のスライードの整備とか、それを活用した授業の展開を考えていくようになりました。

ディスプレイ型電子黒板とホワイトボードとの共存を目指す

鳥取先生:今までのプロジェクターは資料提示は過不足なくできていましたが、今回の機器選定にあたっては、オンラインで外部と交流することも考えて、もっと鮮明・もっと高精細に映るものを求めて、プロジェクターの候補よりもディスプレイの候補が良いと思い選ぶことになりました。プロジェクターの場合は窓からの光が入るとちょっと見えづらいという問題もありました。

電子黒板のサイズは、86型だと、ホワイトボードの高さとちょうど同じ縦幅となり、電子黒板の背面のホワイトボードが隠れるんです。ですからホワイトボードと同じ目線で見ることができ、電子黒板とホワイトボードが共存できるのが魅力だと思い採択しました。

以前、ディスプレイ型電子黒板を購入したことはあったのですが、大きいのでその都度移動させづらいという問題があったんです。今は図書館に常設してデジタルサイネージとして使っています。

その後、普通教室にプロジェクターが設置され、そちらの環境に慣れてディスプレイには慣れないままとなっていました。しかし先ほどお伝えしたようにプロジェクターには鮮明さや使いやすさに課題があったので今回の導入を決めました。

電子黒板をスライドさせる先生
スライードを導入後、電子黒板をスライドさせる先生

授業の展開に合わせて、大画面電子黒板をスライド

スライド式大画面電子黒板「スライード」(StarBoard電子黒板86型)にプレゼン資料を映して発表

鳥取先生:そもそもの想定では、プロジェクターを2台設置してホワイトボードに映し出すような形を採ろうとしていました。ただ、そのホワイトボードも映像が鮮明に映りやすいタイプのものに変える必要があると分かりました。

それならば、同じくらいの価格で、もっと鮮明に見えるものにしようと、今回のスライードが候補に上がりました。壁にホワイトボードが設置されており、その前面でディスプレイ型電子黒板がスライドするという併用を目指していきました。スライド設置の場合、授業の展開に合わせて電子黒板2台を移動できて、離すことも、くっつけることもでき、スタンド設置よりも授業展開が幅広くなることが想像できました。学校の方針にも合っていると思います。

スライド式大画面電子黒板「スライード」(StarBoard電子黒板86型)にプレゼン資料を映して発表

藤田先生:そうです。当初は、2台を隣同士で合わせて、大きな1つのワイドな画面を作るイメージを持っていました。ただ、私の担当教科の英語では2台をくっつけない方が使いやすいかと思っています。左側のディスプレイに“ずっと見せたい資料”を出しておいて、右側には“変えていくような資料”を映すことができます。「動と静」のように見せたいものをずっと提示しながら他の資料も提示できる。どうしてもホワイトボード(黒板)だけだと書き換えるなどしないといけないのですが、iPadとスライードの組み合わせだとそれが実現します。

iPadと電子黒板の相性としては、ポスターセッションをするのにすごく便利になった印象です。前は模造紙に書いて黒板等に貼るようにしていましたが、今はiPadで作ってスッとミラーリングで映して、各グループの画面を切り替えて、と円滑にできます。

iPadのミラーリングに関しても指導することは特になく、生徒が日常的に授業で行っているのでそんなには苦戦してないと思います。

先生のiPadは2台同時進行。両方、電子黒板にミラーリングしている
先生のiPadは2台同時進行。両方、電子黒板にミラーリングしている
電子黒板2台を隣同士で合わせて、大きな1つのワイドな画面を作ることもできる
電子黒板2台を隣同士で合わせて、大きな1つのワイドな画面を作ることもできる

電子黒板が自由に動く=ICT授業の幅が広がる

藤田先生:授業中に教員がiPadで操作するよりもホワイトボードマーカーで書いた方が早いと判断したら、ホワイトボードに直接書き込めるのが良いですね。
全てをiPadで完結させようとすると、逆に時間が無駄になることがありますので、紙に書いたものを貼る時にも便利です。

(ディスプレイを2台使っているので)両方をスライドさせて開いた時に、真ん中の空いているところも有効活用できます。
ディスプレイ型電子黒板を物理的に動かすことで、ホワイトボードに書いたことを隠すこともできるので、一度生徒に覚えさせてから隠す、という使い方もできそうです。

生徒が作ったものを貼り付けたり、アナログなタイマーをホワイトボードに貼るなども可能性があると思っています。スムーズに動かせるってことは何にでもなるなって。導入して数ヶ月なのでこれから模索していきたいです。

DXハイスクール:デジタル人材の育成のために、まずは最新情報を知ることが大事

教室には最先端の3Dプリンターもあり、デジタル人材を育てるための機器が揃えられている
教室には最先端の3Dプリンターもあり、デジタル人材を育てるための機器が揃えられている

藤田先生:今日は探究活動で内容が難しかったので、Google Classroom(クラウド上で先生と生徒がやりとりするツール)を通してお題を伝えていました。生徒のプレゼン資料はGoogleスライドで作っていたと思いますが、教科によって様々なツールを使っていて、私は「使いやすければ何でもいいよ」と指示を出しており、生徒達が自発的に選んでいます。
セキュリティ面は管理されているため安心です。まずは県に申請して、許可されたアプリが学校向けに配信される流れになっています。Google関連のアプリや、最近では生成AIなどもいくつか入っています。アプリも生徒達が選んで使うことがあります。
生成AIも積極的に取り入れたいですが、今日はあえて使用不可としました。慎重に使い分けたいと思います。

スライド式大画面電子黒板「スライード」(StarBoard 86型)にプレゼン資料を映して発表
グループワークでプレゼン資料を作る

鳥取先生:今回のDXハイスクールの関係で、生成AIの研修を組みました。また、データサイエンスについても生徒向けに講演会をしたことがあります。やっぱり、「全く知らなくて使えない」じゃなくて、「どういう特性があるかを分かって使う」という方向を目指しています。あと、使えるところから使う方針です。

土曜日に「オープン講座」という、大学の教授などを呼んできての講座も実施しています。また、校内の教員が教科の研究授業をすることも。その中でデジタル人材の育成に繋がるものがあるかもしれません。

藤田先生:授業中のプレゼンのやりやすさは感じてると思います。

鳥取先生:生徒向けに説明をした期間があるんです。ディスプレイに書き込んだり、データを共有したりして、画面サイズが大きいこと、鮮明に映ること、授業展開が広がりそうなことを説明すると、生徒は「新しい。これからですね!」と言ってくれました(笑)

すごく楽しみにしてると。3年生にも説明をしましたが、3年生は残念ながら今回導入した教室を使う機会がなかったので、「自分の時にあればなぁ」と羨ましく思っていたようです。

藤田先生:他の教員はこれから活用していく局面ですが、積極的に使うといいと思います。教員が喋るだけの授業ではなく、生徒がプレゼンするアクティブラーニングがこれからの授業の形態。電子黒板は、生徒が主体的に動くのに役立つというメリットは大きいと思います。

鳥取先生:多機能が使いこなせていないので、シンプルに使えたら良いなと思います。導入後の操作説明会もしていただき、かなり使えそうだという風に思いましたが、多機能で覚えきれていないのが現状です。

例えば、スクリーンショットを撮って書き込んで、そのファイルが保存できて、前回のファイルを再現できて、しかもそれをQRコードで共有できているとか。仕組みがわかったものは、今後使おうと考えています。なかなか全員が全員わかるまでは時間がかかるかもしれません。

ホワイトボードとの共存を図っているので、(全てをデジタルに置き換えず)残すものは残すということは意識していきます。

あとは金銭的な状況に合わせて、今後補助金などを含めて予算を確保し続ければ、より多くの台数を導入する検討ができるかなと考えています。

編集後記

岡山芳泉高等学校では、最先端の設備を取り入れながらも従来の黒板・ホワイトボードへの親しみも深く、授業の分かりやすさを追求し、電子黒板とホワイトボードを「共存」させています。学習環境の良さが生徒の意欲を引き出しているように感じます。
同校のように電子黒板とホワイトボードを一直線上に設置できるのは「スライード」ならではであり、アナログとデジタルを行き来できる理想的な動線を実現していました。この度は取材へのご協力誠にありがとうございました!

導入製品

製品名:スライド式大画面電子黒板「スライード」(製品ページはこちら)
型番:TVSI-86(仕様ページはこちら)
電子黒板:StarBoard 86型
配線キャリーシステムタイプ:F型レール
電子黒板台数:2台
施工担当:株式会社サカワ

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