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コラム

電子黒板の比較ガイド | 価格や選択基準を知り最適な選択をしよう

電子黒板の比較ガイド

さまざまなツールがデジタル化している今、教育現場もデジタル化への対応が求められています。デジタル化を積極的に進める学校では、いかに「学校や先生の方針に合う電子黒板」を選べるかどうかも鍵となっています。
電子黒板は従来の黒板やホワイトボードとは異なる役割を担っており、様々な機能が搭載されています。電子黒板の機能を有効活用すれば、子どもたちの学習の効果をより高めることも可能です。

今回の記事では、さまざまな視点から電子黒板について解説します。電子黒板を探している人にとって役に立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

電子黒板の基礎知識

まずは、電子黒板に関する基礎知識の解説です。電子黒板はインタラクティブホワイトボード、電子ホワイトボードと呼ばれることもあります。電子黒板を使って何ができるのか、どのような利点があるのか、探っていきましょう。

電子黒板とは?基本機能の解説

画像や映像といった資料の提示機能、デジタル文字の書き込みと保存機能、生徒のタブレット端末との連携でのプレゼンテーション機能、などがあります。
電子黒板の多くはPCやタブレットと接続でき、例えば先生や児童生徒のPCやタブレットの画面を、電子黒板にそのまま映し出すことができます。

電子黒板に映したものは、自由自在に拡大縮小することも、電子ペンを使い直感的に補足を書き加えることもできるため、従来の黒板やホワイトボードだけでは叶わなかった、分かりやすさと効率化を両立した授業が実現しやすくなりました。

また、電子黒板にはディスプレイタイプやプロジェクタータイプがあり、用途によって使い分けられていることもポイントです。

教育現場における電子黒板のメリット・デメリット

電子黒板のメリット① 先生の負担軽減に

教科書の問題文やプリントの内容を映像として、電子黒板の画面に一瞬で映し出すことができます。それにより、これまでかかっていた黒板への板書の手間・時間を大幅に削減できるようになりました。

今までですと、先生が黒板に世界地図を描いたり、教科書や資料集の画像を印刷して黒板に磁石で貼ったりとアナログな魅せ方が追求されていました。もちろん、あえてアナログな手段を選ぶこともあります。チョークやマーカーで描いて見せて児童生徒の記憶に定着させたい、ということもあるかもしれません。そんな時に電子黒板があると、映像を映しても良いし、チョークやマーカーで手書きしても良いため選択肢が広がるのです。

また、手間が減るだけでなく、削減された時間を使って児童生徒と向き合い、指導やアドバイスする時間を増やすことができます。児童生徒も、先生が板書しているのを待つ時間が減り、授業に集中しやすくなります。

電子黒板のメリット② デジタルコンテンツで授業の質が向上

近年、デジタル教科書やデジタルコンテンツも豊かになってきています。これまでは手作りしていたような教材を、様々なプラットフォームから利用できる点が電子黒板の持つメリットの1つです。

YouTubeやNHK for Schoolなどの動画、Googleなどの企業が提供しているオンライン教材も、電子黒板を使えば簡単に映し出すことができます。色鮮やかな動画や聴きやすい音声を活用した説明は、生徒たちの理解を深める助けになるはずです。

電子黒板のメリット③ 生徒のタブレット環境を最大限生かせる

生徒のプレゼンテーションに利用する、生徒のタブレット画面を一覧表示させるなど、タブレット利用が当たり前となった教育環境(GIGAスクール構想環境※)とも相性の良いことが大きなメリットです。

先生側のタブレットで生徒のタブレット画面を電子黒板に映し出し、複数人の画面を並べて比較するなどの活用法があります。45分や50分という限られた授業の中で、児童生徒の多様な考え方に触れられるチャンスを増やすことができ、授業中のコミュニケーションや参加型学習が活発になります。皆で意見交換がしやすくなり、授業がよりアクティブになるという声も先生方からよく聞きます。

※GIGAスクール構想:先生や子どもたちのタブレットPC画面を提示するためのモニターや電子黒板の総称です。令和6年にJAPETが教育委員会を対象に行なった調査を参考に、小学校・中学校の大型提示整備率を割り出したところ約98%でした。
参考:https://www.japet.or.jp/publications/survey-report-on-educational-computers-14/

電子黒板の主なデメリット

一方デメリットとしては、機器の導入に多くの費用がかかる点が挙げられます。アナログな黒板やホワイトボードのみを使っていた時代と比較すると、導入コストは上がっているでしょう。
また、豊富な機能を使いこなすために、電子黒板の操作に慣れる期間が必要になります。複雑な機能を習得するのに一定の期間がかかる場合があることもデメリットです。

だからこそ、学校や先生自身が使いやすく、費用対効果の高い電子黒板を選ぶことが重要です。

電子黒板の種類と特徴の比較

電子黒板の種類は主に2つのタイプに分かれます。

指やペンでタッチできるテレビ、つまり大きなスマートフォンのようなディスプレイタイプ(ディスプレイ型)と、パソコンと接続してその画面を黒板やスクリーンに投影して使うプロジェクタータイプ(プロジェクター型)の2つが主流です。
授業スタイルや設置場所によって適したものが異なりますので、その特徴とメリットを比較してみましょう。

※電子ペンで書き込み等が出来ない映すだけのタイプのテレビやプロジェクターも数多く利用されていますが、ここではインタラクティブ機能を有するディスプレイタイプとプロジェクタータイプを比較しています。

ディスプレイタイプ(ディスプレイ型)

鮮明な画質が大きな特徴です。カラフルで明るく、細かい部分までくっきりと見え、色の再現性も高いため、映像や画像を活用した授業では視覚的に情報が伝わりやすくなります。
さらに、電子ペンで直接書き込むことができるため、リアルタイムでの解説がスムーズに行え、授業の理解促進に役立ちます。

最近は、パソコンと接続せずに使える“PCレス”のディスプレイタイプの電子黒板が増えてきています。このようなモデルは、他の機器を接続せずに単体で利用できるため、よりシンプルで少ない機器のみで授業を行えます。

プロジェクタータイプ(プロジェクター型)

プロジェクタータイプの電子黒板は、投写画面サイズをある程度変えられるのが一つの特徴です。また、プロジェクターは壁に掛けたり天井に吊り下げたりして設置できるため、場所をあまり取らず圧迫感も出ません。

既存の黒板やホワイトボードへ直接投影することも可能なので、今の黒板やホワイトボードを使った従来の授業スタイルから大きく変化させることなくデジタルを取り入れられるもポイントです。

電子黒板の選択基準

ここからは、教育現場で使う電子黒板を選ぶ基準を解説します。電子黒板選びの参考にしていただけると幸いです。

【画面サイズ、解像度】

電子黒板の使いやすさや視認性に関わってくるのが、画面のサイズや解像度です。電子黒板は従来の黒板同様、複数の生徒が一定の距離をとりながら眺める使い方を想定しています。つまり、使う教室の広さや生徒の人数によって適切な大きさや解像度は変わってきます。

デジタル教材やデジタル教科書を活用したICT授業も、ちゃんと映像が見えていなければ十分に効果が発揮されません。大前提として、後ろの席の生徒からも「文字や映像が視認できること」が重要です。

【設置方法】

教室の広さや黒板周りの環境をチェックして、どの程度の大きさの電子黒板であれば設置できるのか考えてみてください。教壇や教卓、先生の机、棚などのサイズを考慮しましょう。「狭い教室にはスタンド型が邪魔になっている」「教室の中心で電子黒板が使えない」など、実際に使ってみて困るケースがあるため、事前に測定して導入に備えましょう。

【電子ペン等での書き心地】

電子ペンまたは指タッチで、デジタルインク等による書き込みがスムーズに行えるかどうかもチェックしておくと良いでしょう。
電子ペンがスムーズに使えると、授業そのものも円滑に進みやすいです。うまく使えない場合、おそらく先生や生徒がペンや指で書くのをおっくうに感じて授業進行に悪影響を及ぼすかもしれません。電子黒板の良さを発揮するためにも、事前に書き味をチェックしましょう。

【互換性、接続性】

PCやタブレットなどのデバイスが既に学校にある場合、導入しようとしている電子黒板とそれらが接続できるかどうか事前に確認してください。PCやタブレットなどのデバイスの種類を把握していない場合は、今一度チェックしましょう。
電子黒板を有効活用するためには、普段使っているデバイスやアプリケーションとのスムーズな連携が必須だからです。

例えば、電子黒板がいくつかのOSに対応していれば、より多くのアプリケーションと連携することができ、多様な教育ツールや教科書アプリケーションが活用できると思います。学習の場であらゆる教材を使いたい先生は特に注意しておきましょう。

【耐久性、保証、メンテナンス】

長期的な視点で考えると、耐久性の高い電子黒板は結果的にコストパフォーマンスが高いです。従来のアナログな黒板と異なり、機器の故障や初期不良の可能性もありますので、保証がしっかりしている製品を選ぶことも重要になってきます。

耐久性に関しては、電子黒板は授業で平日はほぼ毎日使用するため、丈夫な設計が求められます。例えば、長寿命LEDを使用した製品などは、一般的な製品に比べて寿命が長いため、長期間使用しても画質の劣化が少ないです。

保証に関しては、製品の品質だけでなく、メーカーのサポート体制も重要です。充実した保証を提供するメーカーは、一定期間内であれば無償修理や代替品の提供を行ってくれます。

メンテナンスが簡単な製品は、部品の交換や清掃が容易に行える設計になっているのが特徴です。ですので、メンテナンスの手間が少ない製品を選べば、管理も楽になります。

【使いやすさ】

最後に、使いやすさも欠かせない要素の1つです。インターフェース(使い勝手)が直感的で、操作が簡単な電子黒板は、初めて使用する先生でも戸惑うことなく使えます。


以上が、長く使える電子黒板を選ぶ際の基準となります。しっかりと考慮して選べば、安心して長期間使用できる製品を見つけることができます。

もし不安な点がありましたら、電子黒板メーカーの当社までご相談いただけますと幸いです。
株式会社サカワ お問合せ窓口:
https://www.kokuban-chodoii.jp/contact/

電子黒板の価格帯の比較

そして、電子黒板を選ぶ際に価格帯の違いは大きな決定要素となります。
エントリーモデルからハイエンドモデルまでの価格と特徴を比較し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。

エントリーモデルの価格と特徴 ★低価格

エントリーモデルの電子黒板は、基本的な機能を備えつつもコストパフォーマンスに優れている点が特徴です。
エントリーモデルの電子黒板は、必要最低限の機能を求める場合に適しています。基本的な書き込み機能や画面共有機能が備わっているため、日常の授業や簡単なプレゼンテーション程度でしたら不自由なく使用できます。

一般的な50インチクラスのエントリーモデルは約20万円から30万円程度で購入可能です。

ミッドレンジモデルの価格と特徴 ★バランスが良い

ミッドレンジモデルは、エントリーモデルに比べて機能や性能が向上したバランスの良い製品です。
エントリーモデルには搭載されていない電子黒板機能や、高速処理によりスムーズな操作ができるものもあります。

例えば、タッチ機能や高解像度ディスプレイを備えた70インチ程度のモデルは、価格帯としては約30万円から50万円が一般的です。これらのモデルは、機能性とコストのバランスを重視する場合に非常におすすめです。

ハイエンドモデルの価格と特徴 ★高性能

ハイエンドモデルの電子黒板は、最新技術と高性能を兼ね備えた製品であり、他のモデルと比べて高い品質と豊富な機能を誇ります。
4K解像度の高精細なディスプレイを搭載したモデルや、精度の高いタッチ機能を持つ製品が販売されています。また、多様な拡張機能を活用して、さまざまな教育ソフトウェアやプラットフォームと連携し、教育の幅を広げることも可能です。

こういった製品は、大きさによっては1台あたり100万円を超えるものもありますが、高い性能と品質に見合った価値があるといえるでしょう。

最適な電子黒板の比較まとめ

電子黒板を選ぶ際は、用途に応じた画面サイズや設置方法、電子ペン等での書き心地、PCやタブレットとの互換性・接続性、そして耐久性・保証・メンテナンス性を総合的に考慮することが重要です。

電子黒板は長期的な使用が想定されるため、メーカーの保証内容やサポート体制も含めて、各メーカーの製品の特徴を把握し、教育現場での実際の使用状況をイメージしながら検討しましょう。

電子黒板の導入を検討する際には、予算に合わせたモデルを選びつつ、事前の話し合いを慎重に行うことをおすすめします。機能は十分か、画面サイズが十分足りているか、教室に最適な設置ができるかどうかチェックしてください。
また、毎年行われている「教育総合展」などの教育展示会で現物を体験しておくこともまた、導入に失敗しないための良い手段です。他の学校や教育機関の導入事例を参考にするのも有効でしょう。

学校によっては、「電子黒板を導入したのに使われない…」という悩みも聞きますので、導入後には、各先生が操作に慣れるための研修や操作説明会も実施すると良いと思います。
この記事を通して、少しでもみなさまのお役に立てていたら幸いです。

電子黒板についてお気軽にご相談くださいませ。よりよい ICT授業環境となるように、導入や活用のご提案をさせていただきます。
株式会社サカワ お問合せ窓口:
https://www.kokuban-chodoii.jp/contact/

また、実際に電子黒板を導入している自治体や公立学校、私立学校を対象に、「電子黒板・プロジェクター導入後のリアルな悩み」を調査した資料をご用意しました。よろしければご覧ください。
https://www.kokuban-chodoii.jp/column/165/

この記事を書いた人

株式会社サカワ
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創業100年の黒板屋サカワが考えた、黒板も電子黒板もどちらも授業の主役になれる、「こくばんにちょうどいい電子黒板」シリーズ。コラムでは、電子黒板に関する情報や電子黒板を使用する先生に向けた記事を更新して行きます。

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